【保険証存続が国民の声】マイナ保険証 急ぐ必要なし
政府がマイナ保険証の普及を急ぐあまり「12月以降、マイナ保険証がないと10割負担になるといわれた」という声が広がっています。強引な対応に、保険証に対する不安が高まっています。【教宣部 佐藤大地 篠田航希】
マイナンバーカードに保険証情報を連携させる「マイナ保険証」を普及させるため、12月2日以降現行の保険証の新規発行の停止が決まっています。
新規発行停止以外にも、厚生労働省は、薬局向けにマイナ保険証促進の台本を公開。「有効期限内は現行の保険証が使える」「資格確認書も利用できる」といった説明はなく、マイナ保険証がなければ保険診療を受けられないと誤解を招くような内容となっています。
全国保険医団体連合会の橋本政宏副会長は保険証廃止に関するパブリックコメントについて「寄せられた意見の圧倒的多数は反対意見で、保険証存続が国民の声であることは明らかです」「厚労省の利用促進キャンペーンは任意取得が原則のマイナンバーカードを強要しているようにしか思えません。強引な利用勧奨はやめるべきです」と訴えています。
「資格確認書」で受診可能
12月以降、保険証は発行されなくなりますが、交付済みの保険証は、書かれた有効期限まで使用できます。
加入する健康保険が変わった方、住所変更等で交付が必要な方には、「資格確認書」が交付されるようになります。交付済みの保険証と同様、「資格確認書」を提示することで、今までどおり保険診療を受けられます。病院にかかるために、急いでマイナンバーカードを作成したり、保険証機能を登録する必要はありません。
交付される「資格確認書」の有効期限は、発行済みの保険証と同様です。建設国保は25年9月30日まで。県内の市町村国保は25年7月31日まで。協会けんぽは保険証に期限の記載はありませんが、25年12月1日までです。
マイナンバー義務化許されない
1961年に国民皆保険制度が始まり、国民全員が健康保険に加入し、負担なく受診できるようになりました。新生児や乳児、高齢者の受診が増え、現役世代も安心して働くことができるようになりました。
その後、窓口負担が導入されましたが、建設国保では「医療費実質無料」の制度を作り、建設職人の健康と仕事を守ってきました。
マイナカード取得は「任意」
「保険証」が交付されることで、加入している健康保険が確認できます。現物がなければ、加入者は適正に手続きが行われているかわからず、入っているつもりで病院に行ったら、無資格10割負担の可能性もあります。
なによりマイナンバーカードの取得は「任意」です。現行の保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化を図ることは、国民全員が安心して診療を受けられるという国民皆保険制度の趣旨に反しています。
診療を受ける権利を人質にしたマイナンバーカードの事実上の義務化は許されません。
保険証を残せ署名取り組む
組合では引き続き「保険証を残せ」の声を大きく上げ、請願署名に取り組んでいきます。建設国保を守っていくために国保補助金の要請も含め、皆さまのご理解・ご協力をお願いいたします。
Q.「資格確認書」とは、どういうものですか?
A.12月2日以降、保険証の再交付や家族の取得の際に発行されます。記載内容に違いはありません。現行保険証のように使用することができます。
Q.すでにマイナンバーカードを持っていれば、保険証の廃止は関係ありませんか?
A.マイナンバーカードを取得しただけでは、保険証として使えません。保険情報をひもづけしてマイナ保険証にする手続きが必要です。それまでは、現行保険証の保存が必要です。
Q.建設国保に加入しています。マイナ保険証を持っていますが、現行保険証もあります。どちらを使えばいいでしょうか?
A.基本的にはどちらの保険証も有効です。実際には、マイナ保険証が読み込めないなど病院によって対応が異なります。両方の保険証を持っておくと安心です。