早い解決を被告企業にぶつけた
建設アスベスト訴訟 神奈川3陣
建設アスベスト訴訟神奈川3陣の第9回目となる弁論期日が7月4日に横浜地方裁判所で開かれました。これまでの期日で企業側は「自社の石綿含有建材を使ったかどうか分からない」「肺がんの原因はたばこでアスベストが原因でない」などと、すでに先行した1陣・2陣での最高裁判決をなかったことのような対応をいまだに続けています。
今回は被告であるアスベスト製造企業に対し原告3人から建設現場の就労環境と被害の実態について初めて意見陳述が行われました。
電工の金子誠一さんは、電気工事の際の吹き付け材の剥ぎ取りやケーブルを通した後の耐火被服作業で石綿を吸い肺がんとなり、発症当時のがんによる死への恐怖感を語りました。
今井和示さんは、シャッター工として現場で電気ケーブルを通す際に、吹付された狭いところに無理やり体を入れてケーブルを通していた事や、シャッター取付後の配線配管部で一度剥がした被覆材の再度の被覆作業などを行い中皮腫となりました。陳述の最後に「元の体にもどしてください」と企業に対し訴えました。
島崎弘文さんは大工で新築・改修現場で作業をしていました。具体的な企業の製品名を挙げながら建材の切断加工の作業内容を述べ、それにより中皮腫を発症し、今の苦しみを訴えました。
3人の原告は肺の疾患を抱えながら息苦しさの中、石綿の危険性も知らされずに作業しこのような状態になったことの悔しさと一日も早い解決を被告企業にぶつけました。