建設業でも『働き方改革』が始まった

建設業でも『働き方改革』が始まった
~知らなかったでは済まされない!~

2019年4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行

建設業界は長年の「建設業ルール」の慣習によって、残業代や有給休暇など様々な働くルール作りができずにいました。
「働き方改革」を機に、建設業を元気で明るい産業にチェンジしていきましょう。

働き方改革関連法、守らないと大変なことに

(守らないとどのようなペナルティがあるか明確に記述したあとに下表)

NG! × GOOD! ◎
「今、現場終わりました」と電話で報告 1 人工という計算方法はダメ
(出勤簿で管理)
就労記録は出勤日の“〇印”だけ 何時から何時まで働いたか記録
(タイムカード等)
タイムカードなんて職人にはない 残業時間・休憩時間もきちんと管理
(8時間労働)
休日とは“休んだ日”のこと 休日は前もってルールを決めておく
有給休暇っていうのは建設にはない! 年5日は有給休暇を計画的に消化

どうすればいいの…?困ったら組合へ相談を

相談メールフォームはこちら

または045-321-5364(月~金9時~17時)へ

1、まずはセルフチェック!

あなたの事業所は「働き方改革」への準備は万全ですか?
つぎの5つをすべてクリアしていないと、労働基準法違反になるかも…

チェックしてみよう Yes No
労働契約書や雇入通知書を作成している
始業時間・終業時間を毎日記録している
36協定(サブロクきょうてい)を作成し、提出している
有給休暇制度がある
1日8時間を超えた就労には残業代を払っている

チェックができたら組合に送信しよう。 上のフォームは、他産業の事業所では全部Yesが当たり前。
他産業と同じ待遇を、建設産業全体で実現していきましょう。

上記のフォームを送信

2、働き方改革のナカミとは

労働時間の把握 労働者全員(管理監督者含む)の労働時間を客観的な方法で把握しなくてはいけません
時間外労働の上限規制 時間外労働は月45時間以内、年360時間以内(休日出勤を含む)にしなくてはいけません
年次有給休暇の取得義務 年10日以上年次有給休暇がある労働者には、義務として年5日有給休暇を取得させなくてはいけません
2023年以降もつぎつぎ改革が…!
2023年4月 月60時間以上の時間外労働は、割増賃金の率を50%以上に
2024年4月 建設事業の時間外労働の上限規制の見直し

3、働き方改革、何から始める?

ステップ1 労働時間の把握 タイムカードやアプリなどを利用して、始業時間~終業時間を客観的に記録
建設キャリアアップシステムの活用が効率的
ステップ2 36協定の提出
時間外労働の上限を厳守
労働時間のルール(法定労働時間を前提にした就業時間など)を決めて、労働基準監督署36協定を提出
(36協定が未提出だと、残業できません)
有給休暇の年5日取得 有給休暇取得の時季を指定
労働者に取得を促す
ステップ3 時間外割増率引き上げ 月60時間を超えないように管理する
働き方の取り決めやルールを、事業主・労働者でよく話し合って決定し、就業規則に取りまとめましょう。

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4、そもそも「時間外労働(残業時間)」って?

労働基準法では「法定労働時間」「法定休日」が決まっていて、職種や産業にかかわらず適用されています。
この「法定労働時間」を超える勤務や「法定休日」の勤務が発生したら、基本給の相当額をさらに割り増した賃金が支払われなければなりません。

法定労働時間 法定割増率
1日あたり8時間
1週あたり40時間
時間外労働25%割増
深夜労働(22時~5時)は通常の時間外労働割増の上に
さらに25%割増
週1日の休日 休日出勤35%割増
「作業時間」のことではありません!
「労働時間」=事業主の指揮監督下にある時間
準備や片付けに要する時間も労働時間です。

例えばこんな一日では…
7:00 会社に集合して、車に道具と材料を積み込んで、会社の車で現場に向かう
8:00 現場到着 道具と材料を下ろす
8:30 作業開始
10:00 休憩15分
12:00 昼食休憩60分
15:00 休憩15分
16:00 作業終了 道具を車に積み込んで、会社の車で現場を出発
17:30 会社到着 道具を下ろして、翌日の作業の準備
18:00 解散 お疲れさま
始業時間 7:00~ 終業時間 18:00 (休憩時間90分は労働時間から除く)
この場合、労働時間は9時間30分=1時間30分が時間外労働に!

【法定割増の計算方法】
【実例1】日曜日だけが法定休日の場合
月曜 火曜 水曜 木曜 金曜 土曜 日曜
8時間 8時間 8時間 7時間 7時間 7時間 休み
→週45時間労働      40時間超の5時間分を25%割増
【実例2】日曜日だけが法定休日で、日曜出勤をした場合
月曜 火曜 水曜 木曜 金曜 土曜 日曜
7時間 7時間 7時間 6時間 6時間 6時間 5時間
→ 週44時間労働だが、法定休日の日曜日の5時間分を35%割増
【実例3】日曜日だけが法定休日の場合
月曜 火曜 水曜 木曜 金曜 土曜 日曜
6時間 6時間 6時間 7時間 7時間 8時間 休み
→ 法定休日を取得し、合計で週40時間 割増なし
[/su_table]
時間当たり賃金の計算例

①日給20000円の労働者→20000円÷8時間=2500円  25%割増だと3125円
②月給40万円の労働者→事前に計算方法(例:平日の数×8時間)を決めておく
→400000円÷24日÷8時間≒2100円 25%割増だと2625円

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5、誰かに相談したい!

相談なら、建設事業者の経営を半世紀以上サポートしてきた「建設横浜(横浜建設一般労働組合)」へ。
社会保険未加入対策や建設キャリアアップシステムの普及促進など、様々な分野で建設産業の中小零細事業主・個人事業主・一人親方の経営を支えてきた、歴史と実績のある組合です。
労働者も経営者も笑顔に、安心安全な建設産業で安定した生活と経営を続けていくことが、「建設横浜(横浜建設一般労働組合)」の願いです。
経験豊かな組合スタッフが社会保険労務士などとも連携して、あなたの事業所のステップアップを応援します。

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