北海道建設アスベスト第2陣訴訟
石綿製造企業3社の責任を認める勝利判決
被害者全員救済のため今後も取り組みが必要
北海道建設アスベスト第2陣訴訟が9月20日、札幌高等裁判所で開かれ、原告の被害者16人中11人に対して石綿製造企業3社(エーアンドエーマテリアル・太平洋セメント・ニチアス)の責任を認める勝利判決が出されました。残りの5人の被害者については、屋外作業で解体を主として行っていた従事者と、加害企業の製造販売した建材の到達が認められず敗訴となりました。
2021年の最高裁判決において国の責任は明確なものとなり、石綿給付金法が制定されましたが、いまだに多くの問題を抱えています。被告企業が給付金法に拠出をしていないこと、屋外作業者への責任は国をはじめ企業側の責任を認めていないこと、そして責任期間に期限がある事です。
本来であれば、国が対策を取った日を起点にそれ以前を対象とするべきところ、石綿の危険性を知った日からと、昭和50年(吹付は昭和47年)10月から平成16年9月までとされていることです。建設現場で同じように働く中、職種や作業内容によって被害者救済の差が生まれています。
企業責任も含め被害者全員救済の取り組みが今後必要となります。
【金澤拓也通信員】