【働き方改革】賃金単価引き上げ。技能と資格が金額交渉の糧に
―担い手確保処遇改善シンポジウム―
神建連は12月3日、「担い手確保処遇改善シンポジウム」を建設プラザで開催し、全体で111人が参加しました。ブレイス東京社会保険労務士法人代表社員の北村博昭特定社会保険労務士より「建設業の働き方改革と人を大切にする経営」と題して講演があり、その後意見交流をしました。
講演で北村氏は、若年層が他業種へ転職する理由について、主に「休日が少ない、超長時間労働、有給休暇が取れない」などをあげます。2024年4月から建設業にも適用される労働時間の上限規制など働き方改革について、「労働時間管理及び残業代の適切な支払い」「労働時間削減の方法」をポイントに上げ、「雇用契約書や法定3帳簿、就業規則など労働条件の透明化及び管理・保存(交付)が必須だ」と話しました。実際に働き方改革に対応した会社の事例を提示し、「長期黒字拡大路線は、『人を大切にする経営』にこそある」と訴えました。
雇用関係構築。従業員の定着
シンポジウムでは、シンポジストとして山﨑隆さん(港北支部)が発言し、「かつてはとにかく現場をこなすことを考えていたので、従業員の定着率は悪かったです」「今は品質優先で施工するほうが、利益率も上がることに気付きました。適正な雇用関係構築に踏み出し、従業員の定着を図っています」と過去を振り返りながら現在の対応の話がありました。
評価が取引相場を超える賃金に
「これからは『技能と資格』が大切になってくる。自分は1級技能士等の資格を取り、CCUSレベル4になってから、現場監督との金額交渉が意向通りに進んでいると感じています」「評価が取引相場を超える賃金になる。世間並みの待遇と給与を払う目標のためには、実績とともに賃金・単価引き上げを言い続け、安売りする業者を減らすこと以外にない」と自身の経験と展望を訴えました。
【戸井雅一通信員】